十数年ぶりに時計を購入した。数ヶ月、結構調べて、いろんなお店のSNSなどもチェックして、気になる時計があれば、お店にも足を運び時計を見てきた。
以前ここで書いた通り、特にグランドセイコーが気になっていた時計だった。
グランドセイコーの中でも1970年代以前のグランドセイコーがよい。価格も身の丈に合っているし、何より当時の作りやストーリーが好きなのだ。
今回は購入まで検討したことを記録する。
手巻きか、自動巻きか
選択肢としては、まずは手巻きか自動巻きかが考えられる。個人的には手巻きの時計が好みだ。
オーバーホールの金額も手巻きの方が安いだろうし、リューズを回すという動作も嫌いではない(というより好きだ)。
ビンテージGSの手巻きでは、GS1st、GS2nd、44GS、そして45GSあたりが思いつく。
中でもセイコースタイルと言われるケースデザインの44GS、45GSが個人的には好みである。
セイコースタイルとは、3つのデザイン方針と9つのデザイン要素が明確に定義され、現行のGSにも受け継がれている。その源流という44GSには非常に惹かれる。
ただ44GSは、当時約2年間という短い製造期間のため、現在出回っているモノが希少である。(それでもここ数ヶ月、関東圏のアンティーク時計専門店では3回ほど販売中の44GSを見た。すぐに売れていたようだが。)
そのため販売価格もそれなりにする(希少性、品質の良さを考えると全然安いのだが)。
そうなると当時約5年間製造されていて、それなりに玉数もあると言われる45GSがいいね。
日付機能ありか、なしか
44GSは日付機能はなく、45GSには日付機能があるモデルとないモデルの両方が存在する。
できれば日付機能はないモデル(ノンデイト)がよい。スッキリとしていて文字盤の美しさが際立つ気がするのだ。
ただ45GSが製造されていた1960年代は、日付機能の需要が高いこともあり、日付機能ありのモデルの方が多く作られていたのではないか。そのため45GSでも日付機能のないモデル(ノンデイト)は少ない印象だ。
尚更45GSのノンデイトに惹かれていく。選択肢は45GSノンデイト一択や。
名店、ファイアーキッズへ
とにかく実物が見たい、ということで横浜にあるアンティーク時計専門店まで足を運んだ。
なんと45GSノンデイトだけでなく、44GSもあるではないか。
44GSに比べて45GSの方が少し小さい。
軽いし、付けた感じのフィット感も素晴らしい。
かなり迷ったがこの日は購入を見送った。
手巻き時計、IWC cal.89の素晴らしさ
ビンテージGSの購入を検討している間、以前から所有しているインターのcal.89をオーバーホールに出した。
そこで改めてインターのcal.89の素晴らしさを実感した。最期に腕にする時計は、今所有しているインターのcal.89だろうとも思っている。
cal.89は、手巻きの機構で日付機能はない。
もちろん45GSとは全く異なる時計だ。見た目も作りも開発ストーリーも。振動数も45GSは36000振動、所謂ハイビートで、cal.89は18000振動のロービート。
ただ同じ手巻き機構でノンデイトの時計である。
ほんの少しだけ迷いが出てきた。
一度手巻きの時計に拘らず、ビンテージGSの自動巻きも見てみよう。インターのcal.89と全く異なる機能を持つビンテージGSを見てみよう。
新しい発見があるかも。
つづく。
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