グランドセイコー61GSスペシャル。自動巻きの完成形。

前回は、ビンテージGSの自動巻きに絞った話を記したが、今回は前回の続き。

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手巻きの時計に慣れている私には、自動巻きは新鮮。

目次

ビンテージGSの自動巻きなら61GS

ビンテージGSの自動巻きには、主に62GS、61GS、56GSがある。

中でも61GSは、44GS、45GSと同じセイコースタイルと言われるケースデザインで、10振動自動巻きの最高位機種と言われる。

1968年から1975年までの5年間製造されていた。

61GS

ビンテージGSの自動巻きなら61GSを選びたい。

どうせならインターのcal.89とは異なるよう日付機能付きのモノが見たい。

できれば、曜日日付機能付き(デイデイト)がいい。61GSの曜日機能は、英語表記、日本語表記の両方の表示から設定できるのモデルもあるのだ。

(画像は、1995年創業のヴィンテージ・アンティークウォッチ専門店FIRE KIDSさんから借用)

そして、61GSには一般的な61GSの他に「61GS V.F.A.」と「61GSスペシャル」というモデルがある。

61GS V.F.A.

「V.F.A.」は『Very Fine Adjusted』の略で、「グランドセイコー特別調整品」と呼ばれる。精度が月差±1分以内という、機械式腕時計としての正確さを極限まで追求した超高精度モデルでかなり希少な時計である。

セイコースタイルケースに近しいスタイリングだがセイコースタイルではない。ビンテージ時計専門店でもなかなかお目にかかることはない(のだがここ数ヶ月、関東圏のアンティーク時計専門店では一本取扱があった)し、金額も桁が違うくらい高額である。

61GSスペシャル

対して、「61GSスペシャル」は「61GS V.F.A.」よりも玉数が多い。

1970年ごろから1975年ごろまで製造されていた。

価格も一般的な61GSと大きくは変わらない(5万〜8万程度、スペシャルの方が高い)。当時のGS規格(セイコー独自の厳しい精度指標)よりも厳しい精度基準を課したモデルで、ケースデザインは一般的な61GSと同様にセイコースタイルケースである。

見た目の違いは文字盤に「SPECIAL」と表記されること、そして針、インデックスの形状が細くなる。

せっかくなら、61GSより希少でV.F.A.よりも断然手に届きやすい「61GSスペシャル」がいいかもな。

61GSスペシャルを見にいきたい。

61GSスペシャル

61GSスペシャルを探し始めたタイミングで、ファイアーキッズ中野店で、たまたま61GSスペシャルが販売された。1972年製のデイトモデルだ。

(画像は、1995年創業のヴィンテージ・アンティークウォッチ専門店FIRE KIDSさんから借用)

ケース径36mm。私の腕にはちょうど良いサイズ。ガラス風防で自動巻きのため、重さは44GSや45GSより重い。

身につけてみると中のローターが動いていることがわかる。

これが自動巻きの時計か。

ケースには目立った傷はなく、変に磨かれた跡もない。ケース形状が当時のまま残っている。

いい。いいぞ。この時計。この子に決めた!

外観

購入した61GSスペシャルはオーバーホール済みだったため、その日のうちに持って帰ることができた。嬉しい。

美しい個体。外観を撮影。

手巻きのセイコースタイル44GS、45GSと比べてかなり厚みがある。ただ厚みがある分、ケースのエッジが際立ち、より立体感が強調され堅牢性も感じる。

ただ針、インデックスは普通の61GSよりも細く、10振動ならではの細やかな針の流れも相まって、繊細で高精度な印象を使い手に与える。

文字盤は白い。文字盤の表記は、『SEIKO』『AUTOMATIC』『GS』『SPECIAL』『HI-BEAT』『諏訪のロゴマーク』。そして日付。よい。

この形、ボリューム、仕上げ、ローターの振動、適度な重さ。

最高だ。

次は、この時計に合う好みのベルトを購入しようと思う。やはり黒いベルトか。ステンレスブレスもほしい。

大きく雰囲気が変わるだろう。楽しみだ。

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この記事を書いた人

元インハウスのプロダクトデザイナー。三角屋根の小さなお家で、妻と息子とチワワと生活しています。

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