前回↑は既存建物の荷物整理、ご供養仕舞い、解体までとそれらの費用などをお伝えしました。
今回は、建築士さん選びについてです。どんな生活をするために、どんな家に住みたいか。人生最大の買い物になるであろう家は、僕たちらしい、僕たちならではの家であるべきです。その家を誰に設計してもらうか。
リフォームを検討していた時期からそれなりに建築士さん、ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社を調べて、実際にいろんな方と話をしたりしました。いろんな方と話す中で、僕が建築士さん選びの基準にしていることがだんだん分かってきました。
それは、価値観とセンス。あと、あえて言うならスキル≒工夫する力≒引き出しの多さ。。
価値観
抽象的ですが、建築士さん自身がなにを大切にしているか、仕事で大切にしていること以上に生活で大切にしていることがなにか。そして、それが僕たちも共感できるか。言葉にしなくとも、なんとなく会話をしたり、質問することで伝わると思います。価値観が共感できる建築士さんとは、やりとりや進め方が心地いいし、設計も納得できる、ハラ落ちする。
最初の打ち合わせの段階で、どんな家に住みたいか?間取りは?予算は?家族計画は?スケジュールは?などの条件を深掘りする人も多いのですが、僕はそれがイヤだった。(フリーの設計士さんでそのような進め方をする人はあまりいなかったけど) 僕も妻もデザインをやってきて、ユーザーに要件を定めてもらうことはないし、ユーザー自身が欲しているモノがなにかなんて、ちゃんと把握していないと思っています。僕や僕の家族が今後どんな人生を送りたいか、過去どんな経験をしてきたか、今困っていることとか興味のあることなどはなにか、そのうえで、どんな家に住みたいか、家で何をしたいか、です。会話をしながら、家を考えてほしい。
そんな僕がなんとなく求めていた建築士さんは、ストイック過ぎない、余白がある、何事にも好奇心が旺盛、ご家族を大切にしている、ご家族との時間を大切にしているなど。大したことではないですが、そんな価値観も持った人(持っていそうな人)に設計してもらいたいと思いました。
センス
これも抽象的ですが、僕以上に妻が感じていたことかもしれません。僕たちの想像を超える提案力と世界観。僕はモノをみるうえで、これは美しいとかカッコいいとか、それがなぜかをできるだけ言語してきたつもりで、それがセンスにつながる、ひとつの要素だと思ってます。言語化できるから、表現も再現もできるし、世界観や美しさも相手にも伝えることができる。
センスは、建築士さんの過去の事例をみれば、大体わかるはずです。施主の要望をちゃんと叶えるだけでなく、建築士が施主以上の感性を持ち、施主のセンスを引っ張りあげるだけの仕事をしているか。それができる建築士さんには、建築士さんの作家性や世界観に共感するお客さんが集まり、素敵な事例も多いはず。建築士さんにお願いする理由は、そこだと思います。
スキル
正直、設計さんであれば相当のスキルや知識をお持ちだと思っています。僕は、無理なく生きていくために、家にかけるお金は最低限にしたいと思っていました。求めていたのは、低予算でも、いい家を実現してきた経験です。工夫する力≒引き出しの多さ、提案力。
極端ですが、お金があれば、素敵な家を実現するのは容易になると思ってますので。
そのスキルを見極めるために、建築士さんの事例を見せてもらい、どれくらい予算で建てられたかを確認するとよいと思います。とくに低予算の事例。延べ床面積、間取りにもよりますが、昨今のウッドショック以前であれば、表現の制約が厳しくなるのは、なんとなく2500万円あたりだと思っていますので、予算が気になる方は2500万円前後の事例で工夫された点を中心に聞くのがいいと思います。
僕自身、それなりにハウスメーカーや設計事務所の施工事例をネットや書籍などでみて、このくらいの延べ床面積、間取りであれば、大体このくらいの予算で建てられるというのを感覚的にわかるようにしていました。その感覚を身につけておくと判断しやすいかもしれません。
他にも、考えればいろいろありますが、最も重要なのは、この建築士さんが設計した家に住みたい!と思えること。そんな信頼関係を築くためには、施主側も建築士さんの仕事を理解することが大切です。設計しやすいように、できるだけ手戻りがないように、こちらから情報や考えていることをお伝えすること。お任せする部分はしっかりと委ねること。迷っていることがあれば、迷っていることを事前に伝えておくこと。
次回は、そんな僕がどんな建築士さんに依頼したかと、設計するためにどんな会話やプロセスがあったかについて記していきたいと思います。
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