情緒溢れる思い出のレンズNOKTON classic 35mm F1.4

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フォクトレンダーNOKTON classic 35mm F1.4

今、愛用しているカメラはSONYのRX1RM2なので、レンズを変えたりはできません。以前、所有していたミラーレス機やレンズも手放してしまいました。後悔はしていませんが、過去の写真を見ていて、やっぱりいいレンズだったなぁと思うのは、フォクトレンダーNOKTON classic 35mm F1.4。このレンズ、撮るのもマニュアルで楽しかったし、写りも情緒が過ぎる(クセが強すぎる)。

フォクトレンダーについて詳しく知りたい方は、他のサイトやWikipediaなどをご参考に。カンタンにいうと昔、オーストリアで創業したメーカーで、いろいろあって1999年に商標の許諾を受けることになったコシナがフォクトレンダーブランドでレンズを製造販売しています。

SONY NEX-7に装着

僕は、NOKTON classic 35mm F1.4を2014年頃に購入しました。当時使用していたカメラはSONYのNEX-7。APS-Cセンサーのカメラだったので換算約50mmの画角です。

SONYのEマウントには、VoightLander VM-E Close Focus Adapterを装着してレンズを使用します。

このレンズは、もとはレンジファインダー用のレンズで、距離計との連動を考慮して、最短撮影距離が70ミリ程度になっています。(結構遠いです)が、VoightLander VM-E Close Focus Adapterは、単純にEマウントにレンズをつけるだけでなく、ヘリコイドを装備することで、装着されたレンズの最短撮影距離(70ミリ)から「さらに近づいて」撮影することができます。ありがたい。これでかなり実用的になります。

NOKTON classic 35mm F1.4の作例

当時の写真を何枚かピック。レンズ収差と周辺減光が結構でているのがわかると思います。これは意図的に残存させているそうで、それが写りの美しさ、味、特徴、クセになっています。開放はふわふわに柔らかく、絞るとパキパキにシャープに。

(株)コシナが好き

このようなレンズやアダプターを作るコシナ。僕はこの会社の取り組みやビジョンも好きです。

https://www.cosina.co.jp

長野県中野市にあり、2019年に創業60周年を迎えています。カメラの交換レンズから宇宙観測用の特殊なレンズまで開発しているメーカーで創業から雇用最優先とメイドイン長野を守り続けているそうです。2017年に、「一般財団法人 COSINA奨学会」を設立し、優秀な理工学生の経済的支援を行うことをしています。

国内カメラメーカー(カメラメーカーに関わらず)は、海外での生産が普通です。海外でもしっかりと生産管理を行えば、品質は担保できます。しかし、地元の雇用を守り、高い技術力を自社に確保し続けることはできません。その姿勢と裏切らないモノづくりが、ブランディング繋がっていると思います。そして、ファンを大切にする。コシナは工場見学も開催しています。

https://news.mapcamera.com/maptimes/『コシナレンズ工場見学ツアー2019』レポート/

ポイントは、趣味性の高いモノを高い技術力でつくるというところでしょうか。ライカとかフェラーリに似ていると思います。

SNSやWebでの広告なども、分かりやすく即効性があり大切な戦略かと思いますが、もっと大切なのは、本質のブランディングだと思います。コシナさんは、本質が雇用と技術力で、そのために、社員教育や会社としての取り組み、高品質なモノづくりなどを徹底しています。

その本質を追求できているからそこ、コシナは、レンズ業界で生き残っているのだと思います。

もう一度、このレンズを所有したくなってきました。

 

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この記事を書いた人

元インハウスのプロダクトデザイナー。三角屋根の小さなお家で、妻と息子とチワワと生活しています。

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