再建築不可物件。リフォームではなく建て替えるためにやったこと。後編

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前回の続きです。今後のことを考えて、できれば所有している再建築不可物件に住みたい、建て替えをしたいと強くおもいました。

子供ができる前は、一生賃貸。好きな時に好きな街に引越して、いろんなところに住んでみたいと思ってました。不動産購入なんていう価値観は全くありませんでした。ましてや戸建てなんて。

既存の建築概要書の一部。手描き。
目次

位置指定道路

まず一番確実に建替えができるのは、所有地南面側の敷地を位置指定道路にすることです。そのためには幅員、隅切り、長さなどの条件を満たす必要があります。図面を確認したところ、位置指定道路の条件を満たせそうでしたが、実際に測量したところ、幅員が狭く、位置指定道路の条件は満たしませんでした。

条件については、各自治体で一部異なるようで詳しく知りたい方は『お住いの地域名・位置指定道路』で検索してみてください。

所有地南面の敷地は、幅が4mなく位置指定道路の条件は満たせなかった。そもそも地主さんが許可しないとだめですが。

不動産コンサルタント

次は不動産コンサルタントに相談しました。その道のプロです。都内にあるその不動産コンサルは、以前親族が不動産売却時にお世話になった会社です。非常に対応がよかったそう。

メールで連絡、打ち合わせを行い、土地の情報や現状をお伝え、建て替えの可能性はあるか、建て替えが無理なら最善の選択はなにかなどを相談しました。

担当コンサルタントさんは役所への確認、建物関連書類の取り寄せ、実地調査などを行いましたが、やはり建て替えは法律上、無理。既存建物を建てた時の建築概要書を確認してみたら、南面の土地の所有者(地主さん)の敷地を利用して建築の計画をしていたことがわかりました。(昔はこんな感じで確認申請をすることは結構あったそう)

現在はこのような形で建築確認申請は原則行えません。仮に建替の可能性があるとしたら土地の所有者(地主さん)に道路までその土地をお借りする為の使用貸借書、そしてそのお借りする面積、形など何かしら使う権利があることを証する契約書や図面別途が必要になると。しかし妻の祖母が建てられた際の状況と世代も異なり、状況は変わっているのでかなり厳しいとの判断でした。仮に土地をお借りできたとしても、ほとんどの場合、その条件では土地に抵当権がつかず、銀行の融資審査は通らないとのことでした。

選択肢はひとつ

少ない可能性ですが、既存を建て替える(住宅ローンを組んで)としたら方法は下記のとおり、明確です。

『地主さんと交渉し、所有地から接道のとれる部分の敷地を貸して頂き、その条件でも住宅ローンの審査がおりる銀行から融資を受けて建て替えを行う』

土地を借りる交渉と銀行探しを同時並行で行いました。

賃貸借契約書

敷地の賃貸借については、地主さん側と僕側、双方に不動産会社を立てて交渉し、必要な費用を負担すること、月々の賃料をお支払うことで了承頂きました。必要な費用としては、主に接道をとるために必要な敷地の分筆登記費用、その面積を算出するための測量費用、境界設定などです。分筆には、地主さんの敷地に接する人たちの立ち合い確認とサインが必要で、この日程調整が結構大変でした。費用としては、大体70万円程度。

接道がとれるよう赤点線部分を分筆。地主さんの敷地に接する人たちの立ち合い確認とサインが必要。

そして、代変わりしてもトラブルにならないよう賃貸借契約書を作成、締結しました。そこには、地主さん、僕、双方の不動産会社、4者の署名があります。

住宅ローン

並行して行っていた銀行の調査ですが、どの銀行もこの条件だとローン窓口で断られてしまいました。地方銀行だと審査がとおりやすいという噂もありましたが、結局候補に挙げた銀行、8件くらいすべてダメ。

そこで建て替えの時に施工をして頂くかもしれない工務店さんに相談。その工務店さんがいつもお世話になっている銀行(某地方銀行)に相談してもらいました。そしたら、その工務店さん経由であれば、土地をお借りして接道をとっている条件でも融資が可能との返答を頂きました。一気に光が見えた瞬間でした。

次回は、既存の解体(遺品整理含む)についてです。なかなか家づくりの話題になりませんが、土地も解体も家づくりの一部ということで。

 

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この記事を書いた人

元インハウスのプロダクトデザイナー。三角屋根の小さなお家で、妻と息子とチワワと生活しています。

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