44GSか45GSか、それとも44GS現代デザインか

国産アンティーク時計好き、グランドセイコー好きなら聞いたことがある「44GS」。

いま、44GSが欲しくてたまらない。

アンティーク時計としては、1960年製のIWC(オールドインター)cal89を所有しているが、日本人として国産の時計が欲しいのだ。

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最近、44GS関連を調べまくっているので備忘録も兼ねて記す。

目次

44GSというモデル

腕時計の輸入規制(関税)緩和にともない輸入時計が国内で大量に流通する前の1960年、セイコーがスイスの高級時計に挑戦すべく世に出したのが、初代グランドセイコー。

初代グランドセイコー 通称GSファースト

国産では初めてスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に準拠した時計だそう。

GSセルフデーター 通称GSセカンド

その後、防水性能水深50m、カレンダー機能も搭載された二代目を経て、1967年に発売されたのが5振動の手巻時計として当時の最高精度を誇った3代目グランドセイコー「44GS」。

44GS

その44GSのデザインは、服部時計店のチーフデザイナーが手がけ、そのデザインは『セイコースタイル』とよばれる。

『セイコースタイル』は、3つのデザイン方針をもとに定義された 9つのデザイン要素で構成されるそうだ。

グランドセイコー公式サイト
The Grand Seiko Style. Eternal values and a uniquely Japanese sense of beauty | グランドセイコー公式... 日本の美意識をもって、腕時計の本質を果てしなく追求するGrand Seiko。最新コレクション、限定製品をはじめ、グランドセイコーのTAKUMIや歴史をご紹介します。

ケースは、二次曲面と平面で構成されている。ソリッドな印象がありながら、鋭く角が立ち、アンティーク時計にはないモダンさがある。

ケースは歪みなく平滑で、極限まで磨かれて全てが映り込むことで光と影のコントラストを強く感じる。

そんな『セイコースタイル』は、現グランドセイコーまで連綿と受け継がれているデザイン理念だ。

セイコーにとって、44GSは最も特別なモデルの一つで、私はその44GSを所有したいのだ。

当時の44GSはまだ買えるのか

オリジナルの44GSは製造期間が約2年と言われる。cal4420という手巻きのロービート(5振動)のムーブメントである。

前期型
後期型

前期型と後期型の2種類があるらしく、前期型は文字盤6時側に『DIASHOCK』と表記され、後期型は『亀戸マーク』(亀戸工場の稲妻マーク)が表記される。(画像は、1995年創業のヴィンテージ・アンティークウォッチ専門店FIRE KIDSさんから借用)

有名なアンティーク時計屋さんをネットでチェックしているが、すぐには見つからない。相場としては2024年現在50〜60万円程。

もともと製造期間2年の玉数が少ない希少な時計。年々玉数も減るであろう、今後はさらに値上がりするはず。

45GSもアリ、大アリ

44GSの後、1968年に発売された45GSというモデルがある。

45GS

(画像は、1995年創業のヴィンテージ・アンティークウォッチ専門店FIRE KIDSさんから借用)

ケースは44GSと同じくセイコースタイルで、ムーブメントはセイコー初の手巻きのハイビート(10振動)であるcal4520。デイトありとデイトなしモデルがある。

スイス・クロノメーター基準よりも厳しい自社「GS検定基準」を満たして販売された。

1973年頃まで、約5年ほど製造されていたそう。その分、玉数は多くまだ見つけやすい。アンティーク時計屋では44GSの半値の20万円台で売られている。

ちなみに東芝はグランドセイコーを永年勤続表彰で支給していて、45GSは25年勤続表彰記念品として贈られていたようだ。

44GS現代デザイン「SBGW291」という選択肢

現グランドセイコーでは、44GSで構築されたセイコースタイルを受け継いでいる。

なかでも44GS現代デザインと呼ばれ、最も44GSらしいのは【SBGW291】というモデル。

Cal.9S64という手巻きのムーブメントを搭載している。日付表示機能はなく、8振動という個人的に非常に好みなムーブメントである。

オリジナルの44GSのケース径は38ミリ、厚みは9.7ミリに対し、現行の【SBGW291】のケース径は36.5ミリ、厚みは11.6ミリ。

ケースのプロポーションがオリジナル44GSとは異なるが、さすがはセイコーのデザイナー、細部まで破綻の無いよう美しく外観を構成し直し、見事にセイコースタイルを確立している。

私の小枝のような手首には【SBGW291】の方が似合うかもしれない。

そして、サファイアガラスで10気圧防水というアンティーク時計にはない基本性能は、日常気兼ねなく使用できる。

限定モデルではなく、いつでも購入可能なレギュラーモデルで、価格は2024年6月時点で693,000 円(税込)。

44GS現代デザイン「SBGW297」はステンレスブレスレット

もうひとつ現行グランドセイコー44GS現代デザインで、気になるモデルが【SBGW297】。

ケースサイズ、ムーブメントは【SBGW291】と同様だが、【SBGW297】はベルトがステンレスブレスで、文字盤には扇のような平面の連なりで作られる放射模様が施されている。

個人的には、【SBGW291】のようなシンプルな文字盤の方が好みだ。ただステンレスブレスというのがよい。革ベルトより気兼ねなく使えるし、カジュアルな服装にも合いそうだ。

【SBGW291】にステンレスブレスレットのモデルがあればいいのだが、現状はない。

追加でGS純正のステンレスブレスレット購入するのであれば、20万円以上するとか(45GSが買える)。。【SBGW291】と合わせて購入すると90万円を優に超える。

44GSか45GSか、それとも44GS現代デザインか

資金が潤沢にあれば、当時の【44GS】(60万円)と【SBGW291】(70万円)、そして純正ステンレスブレスレット(20万円)を購入したいが、現状の私の稼ぎではそんなことは言ってられない。

選択肢の中で最も費用がおさえられる45GSだってすぐに出せる金額では無いし。

ただこうやって悩んで調べている時間が楽しいのだ。まずは、2024年4月にオープンしたばかりのグランドセイコーミュージアムに近々行こうと思う。

国産最高。

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この記事を書いた人

元インハウスのプロダクトデザイナー。三角屋根の小さなお家で、妻と息子とチワワと生活しています。

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